Moin!
皆さんこんにちは。
師匠から言われた呼吸法の内容を見返すために、
以前購入してからドイツに持参した
フレデリック・フースラー著「うたうこと」(原題Singen)
を読み直してみました。
こちら原著がドイツ語となっており、解剖学・生理学の面から歌唱法について解説されています。
(この本の内容に触れられている記事を見つけました。こちら)
内容的には、
声帯周りの筋肉群、歌唱時の呼吸筋の動きの解説
歌唱は様々な拮抗する筋肉群のバランスで成り立っていること
歌手や声楽教師が陥りやすい点
などが書かれています。
意識的に行うことがこの自然な筋肉の拮抗を崩してしまい、破綻をきたすということが書かれていることを見つけ、師匠の言っている内容との合致しており色々と納得することができました。
自分も経験がありますが、意識的に何かをしようとした瞬間に体は破綻します。
例えば、息が足りないから吸わなければいけない、音色を作らなければいけない、などなど。
呼気の際、吸気の筋肉群(肋骨のサイド、側腹)を吸気の時と同じようにしたまま吐き切れば、筋肉の拮抗状態から勝手に(無意識に)吸気がされるのですが、これを意識で無理やり吸おうとした場合、固くなってしまいます。
音色や響きについても同様、感情が伴った時の呼吸で自然に音色は変わるのに、それを人為的にやろうとするあまり、筋肉のバランスが崩れ固くなる・・・
この呼吸法については La lotta vocale 声の闘争 として様々な書籍、また数年前にテレビで放映されていたバーバラ・ボニー氏のスーパーオペラレッスンでも取り上げられていました。
しかし、世の中見渡すと、息が足りなくなると「もっと吸いなさい」「支えなさい」 「響きをもっと」などなど、このような指示を指導で受けることが多いのではないでしょうか?無意識を無理やり意識でやらせるように導くと失敗を招きます。
フースラー氏もこのような、声楽教師側(さらには耳鼻咽喉科の医師まで)の認識不足についても指摘があります。
良い声楽教師とは、問題点を指摘するだけではなく、知識を基に問題を解決に導く能力や術を持っている人なのでしょう。
皆さんもそんなよい先生と出会えますように。
では。
Auf wiedersehen!